オステオパシーで自然治癒力を高めるというお話

 

オステオパシーとは・・・オステオパシーはアメリカで生まれた手技療法です。身体の構造、特に背骨に問題があると、正常な神経伝達、内分泌、体液(血液、リンパ液、脳脊髄液)等の循環が阻害されます。これが体内循環や免疫力の低下、内臓機能の低下を引き起こし、筋力や骨だけでなく、身体の全器官に深刻な影響を与えてしまうのです。 それを手技療法によって矯正し、正常に戻すことで、体内に本来備わっている防衛力を回復させ、自然治癒力を存分に働かせることができるというのがオステオパシーの考え方です。身体の筋肉・関節・内臓・リンパ等の歪みを治して、身体の持っているリズム(呼吸・心拍などの内臓の動き、クレニオ〔クラニオ〕という頭蓋骨からくる全身の動き等)を正常にしてあげると、身体の恒常性維持機能(つまり自然治癒力)が整ってくるのですね。 


オステオパシーで身体の声を聴くというお話

 

私たちは、身体が求めている状態にあると「心地良さ」を感じ、その逆だと痛みなどの「不快さ」を感じます。その「心地良さ」や「不快さ」といった感覚がまさに「身体の声」です。オステオパシーでは、この心地よい状態を探って治療を行います。現代人は無意識のうちに多くの刺激を受けているので、感覚が鈍くなっています。 例えば、普段何気なく座っている椅子も、体に合っていなくて負担のかかる座り方をしていたりすると、知らず知らずのうちに腰や背中に負担をかけてしまうのです。小さな負担でも蓄積すると、靴下をはく動作など、ほんの些細なきっかけで身体の故障につながりかねません。自分が一番楽と感じる姿勢を、意識を集中して探してみましょう。この「心地のよい姿勢」は、まっすぐな姿勢とは限りません。人によってまったく違う、微妙なものです。ほんの数mm姿勢を動かし、微妙な体重のかけ方を変えるだけで体への負担が減ります。自分にとって「心地のよい姿勢」の取り方がわかると根本的な予防につながりますから、日常でも少し意識してみてくださいね。 


オステオパシーで全身の機能を高めるというお話

 

私たちの身体は、一部だけが独立して働いているわけではありません。全身で「一つのユニット」を形成し、生命活動に向けてすべての器官が一体となって機能しています。「健全な精神は健全な肉体に宿る」と言われるとおり、肉体が衰弱すると精神的にも大きなストレスを感じますし、逆に精神が消耗すれば肉体に影響が現れます。また、肉体を構成している諸器官もすべてが関連し繋がって働いているので、一ケ所が悪くなれば全身の機能が低下するということになります。オステオパシーは、そのような身体の一体性を重視して治療を行っていきます。痛みがあったり、苦痛を感じる部分を中心に治療しながら、その根本原因をできるだけ取り除いて全体的な生命力を高めていくというわけです。Will of life (生命の意志)とは、個々の細胞が分裂してそれぞれの器官へと変化し、その役割を果たしていく力を言いますが、オステオパシーはこの力を高め、その人に一番合うような形で一人一人の生命力を機能させるようにしていくのです。